FAZZについて 

 MSZ−009プロトタイプZZと並んでZZ開発の試作機であるFA-010A FAZZ。この機体はどのような目的を持って開発された機体でそれはMSZ‐009とはどのような関係にあるのかなどについて考えてみたいと思います。

FA-010AFAZZは何の試作機か
 FAZZがZZガンダムの試作機である事は見た目からも明らかであり、外観が極めて完成形のZZに近い事からもかなり計画が固まった頃に製作された機体であることもわかります。
 この機体に関する設定には現在と初出時とで微妙な違いがあり、どちらの立場をとるかで解釈には大きな違いが生じてきます。

・FAZZはフルアーマー状態での機体性能のみを試験する機体
(モデグラ別冊 ガンダムセンチネル)

・フルアーマー状態での機体性能のみを試験するのが目的の試作機と、ZZガンダムのMS時の機体性能を試験する目的の試作機を母体とするものの2系統が存在する

 FAZZという機体名やFA−010Aという型式番号は便宜上与えられたものであり連邦軍制式ナンバーではない
(MG FAZZ説明書 今回はこちらの立場に立ちます)

 MG説明書の記述をもとに考えると、もともとFA(フルアーマー)形態の試験用に作られたFAZZの他に、MS時の性能試験のための非変形試作型ZZや変形機構の試作機などの試作ZZ群が存在することになります。
 そして、それらの中のもとからFA試験機だった、もしくはFA仕様に改修された後にα任務部隊に配備された3機がいわゆる「FAZZ」とよばれる機体であることがわかります。

 すると、ZZの試作機にはMSZ‐010 ZZガンダムにきわめて近い外観を持ち、かつそれぞれに仕様の異なる機体が複数存在する、つまりZZガンダム開発計画においては完成形が見え始めた段階で別個の試験目的を持つ複数の仕様の試作機が並列的に製作された事になります。この場合、FAZZは本来試験目的の違う機体をFA仕様にして実戦に投入した事になるわけですから、機体名称及びFA−010Aという型番が制式ではないとする設定にはかなり説得力があると言えるでしょう。

 また、MG説明書によればZZガンダムの頭部や脚部はAEの社内トライアルにおいて複数が提案され、それらの中で不採用になったものがFAZZの部品として使用されたとしている事などから、試作ZZ群には並行して試作機を複数製作することで開発期間を少しでも短縮しようという意図の他に、本来なら破棄されるパーツの再利用という意味もあったのかもしれません。FAZZがニューディサイズとの戦闘においてスペックの割にさしたる戦果を上げられなかったのは寄せ集め故十分な性能が発揮できなかったせいなのかもしれません。

MSZ‐009 プロトタイプZZとの関係
 FAZZ(もしくはそのベース機となった機体群)がMSZ‐009よりも後に製作された機体であることは間違いないでしょう。MSZ‐009の試験を受けて課題として残ったジェネレータ出力の増加や高出力ビーム兵器の制御・三体分離機構の実験などを行ったのが試作ZZ群であると言えそうです。

まとめると以下のようになる

1.MSZ-009 プロトタイプZZ(ジェネレータ出力等に課題が残る) 
2.FAZZなどの複数の試作ZZ群(3機分離合体やジェネレータ出力向上、メガコンデンサーの試験など)
3.MSZ−010 ZZガンダムの完成

 これらの機体はZZガンダム開発にかかった開発期間が極めて短いという難点を除けば、設定上は矛盾なく共存する事が出来ると言えるのではないでしょうか。
  

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